【炭炎へのこだわり】
ガスじゃない。炭火だから出せる味がある。
炭に火を入れる瞬間から、始まる
炎が落ち着き、じわりと熱を帯びた炭が白く輝きはじめる。
その静かな熱が、食材の奥まで、ゆっくりと、確かに染み渡っていく。
表面はパリッと香ばしく、中はふっくらと潤いを残したまま。
簡単そうに見えて、これができるのは炭火だけだ。
火の強さ、距離、タイミング。すべてを読みながら、炎と向き合う。
その積み重ねの中で、職人の心が騒ぐ。
炭火は、不便だ。
火入れから3時間、ようやく使える火になる。
手間がかかり、管理が難しく、気を抜けない。
しかしその不便さこそが、計算された矛盾の美学。
便利にしてしまった瞬間に、失われるものもある。
13年間、その火だけは絶やさなかった。
これからも、絶やすつもりはない。
それが、杉の屋の流儀。